【人参の飾り切り】梅・菊・蝶などが簡単にできる!12種類の手順を解説

美味しい料理に華を添える野菜の飾り切り。季節に合った形にすることにより、一層華やかさが増すので、お子さんのお祝いのお食事や、来客時のおもてなしにもぴったり。今回はその中でも人参の飾り切りについてご紹介します。

目次

飾り切りって何?

和食でよく使われる飾り切りは、食材をお祝い事にちなんだ形に切ること。趣や季節感を出すことができ、料理を美しく華やかにしてくれます。とくに定番野菜の人参は、料理全体の色味のアクセントとしてもおすすめです。人参はβカロチンを多く含み、体内に取り込まれた後、ビタミンAに変化します。免疫力を高める効果もあるんですよ。

お正月のおせちやお雑煮はもちろん、お弁当などにも大活躍間違いなしです!

人参の選び方

どうせならおいしい人参で飾り切りがしたい!味がいい人参としては、オレンジ色の鮮やかなものを選ぶようにしましょう。芯は硬いので、芯に繋がる葉の付いた部分は小さいものを選ぶのがポイントです。また、皮にハリのあるものを選ぶようにしましょう。

もし人参が硬い時は?

もし人参が硬くて包丁を入れづらい時は、濡らしたキッチンペーパーで覆い、ラップを巻いて、電子レンジで加熱してください。丸ごとは、3分ほど。輪切りした後の場合は量によりますが30秒から1分ほど。

使用する包丁は、本来であれば「薄刃包丁」がおすすめですが、使い慣れている文化包丁でも問題ありません。細かい細工のところは、ペティナイフにするとディテールまで細かく飾り切りできるようになります。

型がなくても大丈夫!包丁で作る人参飾り切り12連発!

それでは、人参の飾り切りの方法を紹介していきます。今回紹介するのは「ねじり梅」「薔薇」「菊」「八重桜」「紅葉」「蝶々」「イチョウ」「うさぎ」「扇」「鳥」「ハート」「星」の12パターンです。

ねじり梅

難易度:★★★☆☆

お吸い物など、お正月の料理にもぴったりな「ねじり梅」は、最もよく見る飾り切りの一つではないでしょうか。

1. 輪切りしたニンジンに5カ所切込みを入れる。次に、花びら型になるように矢印のように切込みを入れる。

2. 花びらの形を整えたら、花の中心に向かって切り込みを入れる(真ん中の写真)。外側が深めで内側に行くほど浅く切り込みを入れる。最後に花びらの表面を斜めに削るように切る。

3. 全ての花びらを斜めに削れば完成。

薔薇

難易度:★☆☆☆☆

包丁を使わず、くるくる巻くだけなのに、3,4つ作ればブーケのように華やかな演出が可能です。

1. 皮を剥いた人参を、さらにピーラーで剥く。力を入れず、薄く剥く。

2. 幅は、1.5cm~3cmほどあると薔薇を表現しやすい。剥いたら、乾燥を防ぐため水につけておく。

3. まな板の上に、幅の太い順から横に置き、少しずらして、2枚目、3枚目と置く。

4. 端から、最初はきつめに巻いていく。最後は緩やかにふんわりとさせる。

5. いくつか作って、皿の上に寄せて盛り付けると、花束のようになる。

カラフルな人参を使えばさらに華やかに。おかずとして食べるなら、ラップをかけてレンジで2分。塩とオリーブオイル、チーズなどを乗せて召し上がってください。

難易度:★★★☆☆

型抜きでも見かける形状ですが、包丁と爪楊枝を使えばきれいな菊の形を作り出すことができますよ。

1. 人参を3~5mm程度の厚みに輪切りする。

2. 1の上に楊枝十文字に置く。

3. 写真のように、四カ所に切り込みを入れて、印をつける。

4. 印をつけた部分にV字の切り込みを入れる。

5. 4の切り込みと切り込みの間を、均等に二カ所、切り込みを入れる。

6. 全体を繰り返す。

7. 包丁で丸みを出す。

ねじり梅のように、奥行きを出したいときは、同じ4~6の工程で切り込みを入れてください。

八重桜

難易度:★★★☆☆

金太郎飴のように棒状に切り込みを入れることで楽に量産する方法をご紹介します。

1. 基本の形と「ねじり梅」工程2まで参照。

2. 花びらの真ん中にV字の切り込みを入れる。

3. 端から薄く切る。花びらを再現するように、1mm程度の薄切りが望ましい。

4. 乾いてしまうと欠けやすいので、調理まで冷水に浸しておく。

紅葉

難易度:★★★★☆

秋の色付きを感じさせる紅葉は人参の飾り切りで再現するのがぴったり!寒くなる頃なので、お鍋の具にもおすすめですよ。

1. 人参を3~5mm程度の厚みに輪切りにして、皮を剥く。

2. 均等ではなく横に広い七角になるよう周りを切り落とす。

3. 葉を表現するのに、切り込みを入れる。この時、本物の紅葉の雰囲気を出せるよう、辺に入れる切込み部分を中央ではなく、少しずらす。1段目の葉は4:3の位置に中央の向かって切り込みを入れる。

4. 角から切り込みを入れたところまで、包丁を入れる。次の角からも、中央の切り込みまで丸みを出すように切り込みを入れる。最初の切り込み部分の位置で、葉の大きさが変わるので注意する。

5. 2段目は3:2に切り込みを入れて、以降は4と同様にする。

6. 3段目は3:1に切り込みを入れて、以降は4と同様にする。

7. 最後の枝部分を揃えて、切り込みを入れて端を落とし、出来上がり。

蝶々

難易度:★★★★☆

蝶々が花にとまっているような飾り切り。こちらは触角を折り返す方法もありますが、割れてしまうことが多いので、作り慣れてからチャレンジするのがおすすめです。

1. 写真のようにいちょうの形に切る。

2. 包丁を入れやすい長さにする。

3. カーブの面を上に置き、高いほうから、2㎜ほどの幅のところに縦に切り込みを入れる。最後まで入れずに、2mmほど残す。

4. 今度は、カーブのある方を下にし、3のところから同じ幅で切り込みを入れる。3と同様に、最後を2mmほど残す。

5. カーブを上にして横に置き、なるべく薄く切り込みを入れる。最後2mmほど残す。

6. 次は、最後まで切る。

7. 割れない程度にゆっくり蝶々を広げ、触角を立たせて出来上がり。

イチョウ

難易度:★★☆☆☆

秋におすすめなイチョウの形。難しすぎないので、初心者さんにもおすすめです。

1. 人参の皮を剥き、輪切りにする。型抜きや芯抜きを使い、半分より少し下に左右対象に丸い穴をくり抜く。

2. イチョウの葉の葉柄(ようへい)の部分を作るイメージで、くりぬいた円の下部分を包丁で写真のように切り落とす。葉柄の角を取り、しなやかさを表す。

3. イチョウの葉のトップ中央に、左右から2mm程度切り込みを入れてできあがり。

うさぎ

難易度:★★★☆☆

ピョンッと跳ねているようなうさぎの形は、お月見シーズンなどに特にチャレンジしたい!

1. 人参の皮を剥き、半月切りにする。ピーラーで皮を剥いた場合は、縦線がついてしまうので、包丁で側面をきれいに処理する。

2. 右端の下から3mmほどのところにV字に切り込みを入れ、ウサギの脚をつくる。

3. 円弧の1/3のところから、皮を剥くように包丁を入れる。最後は1cmほど残す。

4. うさぎが跳ねているように、直線部分に包丁でカーブをつける。全体の角をとっって、体に丸みをおびさせてできあがり。

難易度:★★☆☆☆

おめでたい日などにおすすめの扇は、複雑そうに見えて意外と難しくないんです。

1. 人参を5mm幅程度の半月切りにする。

2. 扇の形になる用、両端を中央に向かって、斜めに切り落とす。3mmほど間隔をあけて、中央に向かって、切り込みを全体に入れる(6〜8カ所程度)。

3. 切り込みから2mmほど右側を、切り込みに向けて斜めに包丁を入れて切り落とす。これを繰り返す。

難易度:★★★★★

難易度最高峰の鳥モチーフ!バサバサと羽ばたいている鳥を、躍動感たっぷりに表現します。

1. 下の写真について、矢印の上が鳥の頭、下が尾になるようにイメージする。

2. 尾の部分を作る。1cm程度の間隔をあけ、中央よりやや下へ向かうように斜めに切り込みを2カ所入れる(1cmほど)。

3. 切り込みの終わり部分へつながるよう、切り込みの両側を左右なだらかに切り取る。

4. 翼を作る。頭になる部分から、左右ともに1.5cmほど切り込みを入れてV字に切り抜く。
※左右の長さを変えると、躍動感が出る。

5. V字の切り込みを細かく入れていき、頭の部分をつくっていく。

5. かわいい鳥ならこの状態で完成。もし凝った細工をするなら、翼の外側に3カ所ほど切り込みを入れると、躍動感が増す。

ハート

難易度:★★☆☆☆

覚えておくと何かと役立つハート。人参以外の飾り切りにもおすすめです。

1. 人参の皮を剥いて輪切りにし、円の上側から直径の1/3くらいまで切り込みを入れる。

2. 切り込みの先に向け、両脇から斜めに包丁を入れて切り取る。切り口を丸くなぞりながら、切る。

3. 円周の中央横から下にむかって包丁を入れ、くぼみを作る。

難易度:★★★☆☆

ハートと同じく、星の飾り切りも何かと使えます。やや難しいですが、包丁使いはシンプルなので慣れれば簡単!

1. 人参の皮を剥いて輪切りにし、五角形を作る。

2. 辺の中央にそれぞれ5mmほど切り込みを入れる。各角から、切り込みの終わりまで包丁を入れ、切り取る。

3. 繰り返して星の形をつくる。

市販の型抜きを使っても

市販の型抜きを使えば、飾り切りも楽にできてしまいます。例えば、花びらの型抜きを桜の飾り切りとセットで使えば、さらに華やかさが増しますよ。もし硬くて抜けない場合は少し温めて型抜きをするのがおすすめです。

また型抜き後、中央などを繰りぬかれた人参もしっかり料理して味わっていきたいですね。

型抜き後の人参活用レシピ①「星抜きinクリームチーズ」

材料

人参の型抜き後 2枚 / クリームチーズ 10g / はちみつ 適量 / 胡椒 適量

作り方

  1. 人参にラップをして、レンジで20秒~30秒温める。
  2. 1の粗熱が取れたら、クリームチーズの半量をスプーンの裏側などを使い、空いている部分に塗る。
  3. はちみつ・コショウを振って出来上がり。
  • はちみつは一歳未満の乳幼児には食べさせないでください。
  • お弁当の一品にも最適です。

型抜き後の人参活用レシピ②「残り野菜のポトフ」

こちらのレシピでは型抜き後の野菜はもちろん、包丁やピーラーででた野菜くずも無駄なく活用!無農薬・有機農法で作られた野菜であれば、ヘタや皮も美味しい出汁になります。お肉や、ソーセージと共に煮込んで滋味深い味わいのスープを味わいましょう。

材料(2人分)

人参の切れ端 一握り程度 / じゃがいも 3個 / セロリ(または玉ねぎ) 1/2本 / ほうれん草 適量 / 塩 少々 / 豚肩ロース 300g / ローリエ 1枚 / 水 適量 / オリーブオイル 適量

作り方

  1. 豚肉は、食べやすい大きさにカットし、塩を振っておく。鍋に、オリーブオイルを引き、水分をふき取った豚肉の表面をこんがり焼く。一旦火を止める。
  2. 野菜類を一口大に切る。人参・じゃがいも・セロリ・ローリエは、1の鍋に入れて、水をひたひたに入れ中火にかける。
  3. 沸騰したら弱火に落とし、10分程度煮込んだら、野菜に火が通ったか、菜箸など刺して確かめる。
  4. 適量の水を加える。一煮立ちしたら、ほうれん草を加えて、塩で味を調え、出来上がり。

※仕上げに、あらびき胡椒や、オリーブオイルをかけても美味しいです。

ハレの日でなくても、普段のごはんに飾り切りの野菜が入っているだけで気分もグンと上がりますよね。気軽に取り入れられるものもあるのでぜひ試してみてください。

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