折り込みチラシを研究し続けて10年以上。小学生の頃からチラシを愛してきたチラシ博士による、チラシ講座の連載です。これまで3回にわたり、自分と相性の良いスーパーのラインナップを決定していく「スー活」や、タイトルからチラシを感じる「チラ見」について解説してきました。今日はいよいよ最終回。さあ、毎日の買い物を楽しくするために、あなたもチラシマスターになりましょう!

チラシ博士プロフィール

チラシ博士

30代男性、チラシ好き。

小学生の頃から家庭でチラシを仕分ける「チラシ係」として活躍し、社会人になってから偶然チラシ事業にかかわり、改めてチラシの良さを実感。

ひとこと:
先日は家電のノジマさんのチラシが折り込まれたのですが、これがなんとポリエチレン製の袋!お店にこの袋を持参すると野菜の詰め放題ができるというもので、いろいろあの手この手考えるものなんだなあ~、と感心しました。

前回の振り返り

前回はそもそもチラシを見るとはどういうことかについてと、チラシの見かたのうち、「チラシの仕分け」「タイトルのいろいろ」についてお話ししました。

チラシは1枚ずつ「読む」と膨大な時間がかかり、情報量も過多のため、時間がない生活の中ではなかなか現実的な行動ではありません。

家事や、育児、仕事、勉強などがあるなかで、チラシを「読む」ことが毎日になると、その時間がもったいないということもありますよね。習い事や仕事の休憩時間、移動時間などにチラシを素早くチェックしたいという方もいらっしゃると思います。

その時に億劫にならないためには、「コツ」をおさえて「読む」のではなく「感じる」ということがとても大切です。

今日はチラシの見かたのポイント、後編をお伝えしていきます。

オトクで賢いチラシの見かた

ポイント③ その日のチラシ、その日のうちに

タイトルからパッと「見る」か「見ない」か判断するチラシの仕分作業が終わったら、「見るチラシ」を個別に見て特売品をチェックしていきます。

この時、自分が買い物に行ける日がたとえ先だとしても、「見る」作業を寝かせてはいけません。

たとえ先の日であっても、チラシが入った日のうちにチェックは済ませるように努めましょう。

なぜなら、先の特売品を把握することで、買い物の計画が「平面」から「立体」に変わるからです。「どこで」「何を」買うかに「いつ」が加わる感じです。

簡単な例でいうと、今日が木曜だったとして、日曜にB店でかなり安いキャベツがあることを知っていたら、今日ちょっとだけ安いキャベツをA店で買うことを見送れます。

反対に、日曜になってからチラシを見た場合では、(この場合は結果的にラッキーですが)既に選択の余地はありません。

買い物に行ける日に向けて少しずつ情報を蓄積していくことで、どの店にどのタイミングで行くのがベストかを決められる幅が広がります。

ですので、4日先でも5日先でも、情報を今日知ることができるのなら今日のうちにチェックしましょう。

ポイント④ お買い得さが表現されている5つの要素

最後に商品の見かたに入ります。チラシに載っている商品は、日替わり特売品として載っている商品どうしでも、そのお得度には差があります。

そしてそのお得度の差は、おおむね5つのビジュアル的要素を組み合わせることで表現されています。

押さえておくべきパターンとして、この見る(感じとる)ポイント5点を知っておきましょう。

その1 「大きい」はおトク お得度 ★★★☆☆

「南瓜」と「ラ・フランス」の商品の大きさにご注目ください

同じ日替わり商品であっても、チラシの紙面の中でのスペースの占め方は商品によって大きく差があります。

商品画像や値段の文字が大きければ大きいほど、お店がより自信をもっている品であり、お得度が高くなります。

これは商品画像ありのチラシ、文字だけのチラシどちらにもあてはまり、またこのお得度は、チラシの中での相対的な大小にではなく、絶対的な大きさに比例します。

その2 「バクダン」もそこそこおトク お得度 ★★☆☆☆

価格の後ろにあるギザギザマークに注目

「バクダン」とは、値段の文字の下にある「ギザギザ」のことです。

これがついている商品は、同程度のサイズの「バクダン」なしの商品よりお得度が上になります。

色は、カラーのチラシであれば赤か黄色がよく使われ、その他にもオレンジ・黒・緑など他の色が使われることもありますが、「バクダン」の色の違いにお得度の差はありません。

ただし、同じチラシ内で複数色のバクダンがある場合は、色によってお得度が変わります。どちらの色が上位かはチラシによってまちまちです。

「キャノーラ油」のバクダンと「本つゆ」のバクダンの色が違うことがおわかりですか?

注意点としては、「バクダン」を乱発する困ったスーパーがあることです。価格のほとんどに「バクダン」がついていて、どのチラシも毎回そのケースの場合は、本当にお買い得かどうかちょっと気を付けて見るようにしてください。

これは、しばらく何枚か同じお店のチラシを見て傾向を知ることで慣れていきましょう。

・補足
「バクダン」のギザギザを嫌ってか、「バクダン」の代わりに円や四角など他の図形で価格部分を目立たせるケースもあります。

その3 価格の文字の書体や色が違う お得度 ★★☆☆☆

スーパーのチラシの価格の数字の書体といわれれば、太字で斜体を思い浮かべる人も多いでしょう。

太字斜体とはコレ

ただ、チラシの中でこの書体だけが使われているケースは実は少なく、たいてい複数の種類が使われています。

種類が多すぎると複雑になり、よくないのですが、かといって書体が1種類だけでは、お買い得度を簡単に視認できる指標の一つが奪われてしまうためです。

書体から見えるお買い得度の傾向としては主として3つになります。

①書体の太さとお買い得度には相関関係がある

「94円」と「348円」の文字の太さに注目

太い書体のものほどお買い得度が高く、細いものはお買い得度は低くなります。また、細い書体は質の高い品を推すときにも使われます。

② 斜体はやっぱりお買い得度が高い

同じ「99円」でも、斜めとまっすぐと、文字の傾きが違いますね?

書体が斜体のもの、あるいは文字自体が斜体でなくても配列が斜めのものはお買い得度が高くなります。

③文字色が他と違うものはお買い得度が高いことが多い

価格に黄色と赤色の2色が使われていることが見て取れます。

赤い書体で価格が並んでいる中に黄色の書体など、文字色を変えている品は要チェックの品となります。

その4 タイムセール お得度 ★★★★☆

朝市や夕市などのタイムセールは、その時間帯にわざわざお客さんに来てほしいわけですから当然かなりのお得であり、それだけで全品要チェックです。

チラシ上では、割と大きなスペースを割いて「朝市 あさ◯時からひる◯時まで」などと告知されていますので、これが目印となります。

なお夕方からの「惣菜」のタイムセールはそれほどお買い得でもないのでスルーしても問題なしです。

その5 先着◯点限り/◯名様限り・お一人様◯点限り お得度 ★★★★☆

販売個数に限りがあるもの、1人あたりの購入可能点数に上限があるもの。これらも無論タイムセールと並び、かなりのお買い得品となります。

チラシ上では、購入条件が四角で囲われた中に白ヌキの文字で目立つよう書かれていることがよくあるパターンです。

ただ購入条件などは細かい字で書かれていることも多いので、まずは白ヌキが視界に入ったら要チェック商品と判断しておいて、あとから吟味しましょう。

条件として書かれる内容は主に下記の3種類です。

①「先着◯点限り」「先着◯名様限り」

表現は微妙に違いますが内容はだいたい同じです。ちなみに単独でこれらが使われることは少なく、後述の「②お一人様◯点限り」と組み合わせて使われることが大半です。

②「お一人様◯点限り」「お一家族様◯点限り」

店によって「お一人様」なのか「お一家族様」なのか条件が異なり、後者だと安売り志向がかなり強めのお店です。

ただ通常は「お一人様~」を適用しながら、たまごの特売のときだけ「お一家族様1パック限り」とするお店もまた数多くあります。

③「◯◯円以上お買い上げのお客様に限り」

なぜなのか、どこのスーパーでもたまごの特売のときにだけやたらと書かれていることの多いこの購入条件。

特売品だけ買って帰ってもらっては困るという意図ですが、残念ながらお買い得度の判断にはあまり寄与しません。なぜたまごばかりなのかは謎。

 

以上です。かなり長く書いてしまったので、もしかしたら「このチラシの見かたを会得するのは自分には難しい」と思われた方もいるかもしれません。

ただ実際やってみれば、

売り出し期間を見る → 日替わりの有無を見る → チラシ・企画のタイトルを見る → チラシ上の表現からお買い得な商品を見てとる

という流れはそれほど複雑なものでもないので、気負わずにトライしてもらえたら私としてもうれしい限りです。

なぜこの流れが正しいといえるのか。それはもう、私の経験値としかいいようがありません。

この流れでやればサクサクとお買い得品が選別されていき、さらに選別されたものは本当にお買い得なモノだけになっていくので、やがてチラシを見るのが快感となるでしょう。

おわりに

毎日のように新聞の折込チラシの束の中からスーパーのチラシを抜き出していると、束の中からちょっと垣間見えた数字の書体だったりとか、チラシの外枠だったりとか、さらにはチラシの紙に触れた時の指の感覚で、どのスーパーのチラシなのかが瞬時に判断できるようになります。

それは決して特別なことなどではなく、より容易に自分のお店のチラシを見つけてもらうための、スーパーの人たちの工夫の結晶・たまものだと私は思っています。

企業にコーポレート・アイデンティティ(CI)、ブランドにビジュアル・アイデンティティ(VI)があるように、チラシにもお店ごとの固有性があると私は考え、

これをチラシ・アイデンティティ(CI)と命名しています。

「チラシを見る」という行為は、お店のチラシ・アイデンティティを認知したうえで、チラシを通してお店が伝えたいことを感じ取ることなんだと思います。

そして、商品が並んでいるその全体の光景を感覚として受け止め、惹きつけられる商品があったら、一度キープしたのちに後で吟味するのです。

また、「チラシ」に載っているものは「情報」ではなく「買い物を楽しむためのヒント」であるという事実も非常に重要です。

ヒントであるからこそ、チラシを見る行為が楽しい「ゲーム」になるのだと思います。

チラシの見かたを覚えたら、ぜひあなたの次の世代へ「我が家秘伝のチラシの見かた」を受け継いでいってもらえたら幸いです。


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